図は叡王戦、渡辺大夢五段vs佐藤天彦名人の対局から、後手の天彦名人が100手△9二玉と指した局面。
この15手ほど前に先手の渡辺大五段に疑問手があり、94手△7四桂と縛られて絶体絶命となった先手が▲5二金~▲6二金打~▲7二金と思い出王手的に迫ったものの、現局面では先手に飛車や金といった横に利く駒がないので後手玉に詰みモナーク、逆に先手玉は△7八銀成▲同玉△8九龍▲7七玉△7八金までの詰めろが掛かっている状態です。
ここで先手の渡辺大五段の指し手は▲8六歩。玉の懐を一時的に広げた(ように見えた)手で、対する天彦名人は△8九歩成として△7八銀成▲同玉△8八龍の詰めろを継続。
もはや先手受けなしか・・・と思われたところで、渡辺大五段の手が敵陣へ伸びて▲8三角と力強く打ち付けると、△同玉に▲7五桂で△7二玉は▲8三銀△7一玉△6三桂不成まで、△8四玉は▲8五銀(後手投了)△9五玉▲9六歩△同龍▲同銀△同玉▲8七金以下、何と後手玉が詰んでしまっているという頓死で大逆転となりました。
要するに101手▲8六歩は単なる詰めろ逃れでなく、後手玉に詰めろを掛けていたという、みんな大好き「詰めろ逃れの詰めろ」で、後手がこれに気付けば△8九歩成のところで、△7八銀成や△5二飛と先手の要の金を外して詰めろを解消しつつ王手や詰めろを掛けていた訳ですが、渡辺大五段の▲8六歩と指した手つきが力なく、いかにも観念したようなムードを醸し出していた(小芝居か?)ようで、天彦名人が秒読みの中でヤラカシタヤラカシタ(2018年乃木坂流行語大賞)のでした。
それはともかく、朝日杯FSは○アドマイヤマーズ&×クリノガウディー&▲グランアレグリアの決着、◎マイネルサーパスでトリガミ、有馬記念は×ブラストワンピース&▲レイデオロ&×シュヴァルグランの決着、○ミッキーロケット、◎サトノダイヤモンドで外れ。厳しい年の瀬になりましたが、ホープフルSや東京大賞典で渡辺大夢五段のような大逆転をしたいものです。
次回の競馬予想TV!の出演は年明けの1月4日、中山&京都金杯予想です。金杯で乾杯できるように頑張ります(とはいえ、お酒は控えていますが)。では、ちと早いですが良いお年を。
PS:有馬記念で大敗したセイカ体調が一息で、鼻詰まりや、筋弛緩剤の副作用?や、コーヒーが体質に合わなくなったのか息苦しさを感じることがあり、それを気にするとパニックのようになるという状態で。過去にも目眩、ひざ痛、鼻のアタマが赤くなる、指先が荒れる、ぎっくり背中・横隔膜など様々な症状が出て、気が付くと直っているということが度々ありましたが、1年前に後縦靭帯骨化症を発症した後だけに単なるストレス性のものか分からず、それがまたストレスになっているという(泣)。いずれにしても、馬券を当てるのが最高の薬ですけどね。